雨男の日記

もう世の中に対して言いたいことなんて何一つありません

泡より早く

久々に夢を見た。

 

オレンジ色の夢。

 

際限ない幸せが空間を溢れんばかりに埋め尽くしている。

 

そんな夢。

 

夢でなぜか見知らぬ少女と話していた。

 

意思に反して勝手に動く口。

 

弾む会話。

 

響く笑い声。

 

どうやら従妹らしい。

 

よく笑う子だ。

 

なぜか話題が色恋沙汰の方面へ移った気がする。

 

話を続けると突然赤面しながら告白された。

 

多分イエスと言ったんじゃないかなと思う。

 

そのあと告白の返事が本当かどうか疑う彼女を嘘じゃないと必死で説得していた気がする。

 

唐突に帰り道。

 

子供が這ってやっと通れる狭い穴を通る。

 

当然二人とも服が地面と擦れて土だらけになった。

 

でもなぜか二人とも笑ってた。

 

今にも叫びだしそうな気恥しいようなそんな気持ちを抱えたまま。

 

私は彼女の白い服についた土を掃って、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢は唐突に閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔に当たるシーツの感触からベッドの上で横になる自分を徐々に認識していく。

 

胸の中は残念な気持ちで一杯だった。

 

すべて夢だ。嘘だ。まやかしだ。そんなことはわかってる。

 

でも、

 

名残惜しさを感じるほどあの幸せは限りなく現実のものだった。

 

疲弊と虚しさしかないこちら側と違って。

 

あの世界で生きていっても後悔しないと言い切れるほどだった。

 

 

 

薄暗い部屋の中ため息だけがゆっくりと溶けていった。